裾除けとは？振袖に欠かせないアイテムの役割と使い方を解説！
裾除けとはどのようなものなのかわからない方も多いのではないでしょうか。裾除けは、着物を着る際に長襦袢の下に着る下着ですが、単なる下着ではなくさまざまな役割や種類があります。そこで本記事では着物姿の品格のために重要な存在である、裾除けの役割や上手な活用方法について解説します。
着物姿の品格を守るために重要な存在！裾除けの役割とは
裾除けは長襦袢の下に着る下着であり、さまざまな役割があります。着物を着る際に重要なアイテムであり、裾除けの役割は具体的に4つあります。
1つ目の役割は、着物や長襦袢を衛生的に保てることです。着物や長襦袢は洗濯しづらい素材でつくられていることが多く、着用する度に洗濯することは少ないでしょう。汗や皮脂の汚れが付着すると、不衛生な状態で保管しなければなりません。そこで、裾除けを着ることで長襦袢や着物が直接肌に触れる面積を少なくでき、衛生的に着用できます。もし裾除けが汚れてしまっても自宅で簡単に洗濯ができるため、常に清潔な状態で着用可能です。
2つ目の役割は、着付け方で下腹のボリュームを抑えるなど体型の補正ができること、3つ目の役割は、体型にあう素材や裾除けを選ぶことで着物の裾が足に絡まるなどの煩わしさが軽減し、裾さばきが楽になることです。
4つ目の役割は、着物はスカートのように裾が開いているため、冬は足元が寒くなりがちですが、裾除けを着ることで寒さを防げることが挙げられます。防寒を重視したい場合は、ウールなどの暖かい素材の裾除けを選ぶとより効果的です。
振袖スタイルの完成をサポートする裾除けの種類
最近は、振袖スタイルの完成を気軽にサポートできるさまざまな種類の裾除けがあります。たとえば、昔から定番の腰巻タイプの裾除けは、手に取りやすい価格であり、着用シーンを選ばないので、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも活躍します。腰布と呼ばれる腰回りの布の部分は綿の生地、脚布（腰布より下）の部分はポリエステルの素材が主流です。
また、パンツの形をしたステテコタイプの裾除けも最近は人気があります。気温の高くなる夏に浴衣の下に着用すると、股の部分のスレを防止できるため快適に過ごせるでしょうまた、上半身の肌着（肌襦袢）と、下半身の裾除けが一体化しているワンピースタイプは、脱ぎ着の手間が少なく時間がかからないことがメリットです。前の部分にボタンやファスナーがついているなどさまざまな形があります。
スカートタイプは腰巻がゴムになっているのが特徴で、腰巻タイプよりも手気軽に着用できるため、着付けの初心者に向いています。ステテコタイプのようなパンツスタイルではないので、フォーマルな場でも着用できるでしょう。なお、裾除けの色はピンクや白、ブルーなどがあり、小紋柄など柄物やレース付きのものまであります。
振袖の美しさを引き立てる裾除けの上手な活用法をご紹介
振袖の美しさを引き立てる裾除けは、素材によって活用方法を使い分けるといいでしょう。正絹は静電気がおこりにくく、裾さばきがよく快適に着用できる素材です。正絹は高級な素材であり価格が高めの設定であるため、質にこだわりたい人に向いています。デリケートな素材のため洗濯するのは難しく、頻繁に着る場合は使い勝手が悪くなることもあります。
一方、価格が安いポリエステル素材の製品は、色や柄など多くの種類の裾除けを持ちたい人に向いています。正絹素材と比較すると静電気が発生しやすかったり、吸湿性や通気性が悪買ったりする部分もありますが、しわが付きにくく洗濯がしやすいメリットがあります。
そのほか、硬い麻の素材の裾除けは、夏場でも肌に貼りつきにくく歩く時に足さばきがよくなることがメリットです。夏場によく着物を着る方は麻の素材を選ぶといいでしょう。反対に寒い時期の冬場であれば、ウール素材を選ぶことで保温性が高く、蒸れにくいので快適です。裾除けは素材の特徴を知り、うまく活用することで快適に過ごせるでしょう。
まとめ
成人式やパーティーなどの着物を着る機会では、なるべく長時間着物を着ていても快適に過ごしたい人が多いのではないでしょうか。そこで、裾除けの素材や役割を知り、上手に取り入れることで長時間でも快適な着心地を維持しやすくなります。絹やポリエステル、麻、ウールなどさまざまな素材の種類があるほか、デザインやカラーバリエーションも豊富なので、着用シーンに合わせてぴったりの1枚を選びましょう。裾除けの種類や役割を知りうまく活用することで、暑さや寒さの対策、裾まわりの足さばきもよくなり、一年中快適に着物を楽します。
