振袖はどんな時に役立つ?具体的な活用シーンを考えよう!
振袖と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?華やかな振袖から、成人式を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。ですが実は、成人式以外にも様々な活用シーンがある着物なのです。今回はその活用シーンや、着用する際のマナーをご紹介します。一見敷居が高いと思われがちな着物の世界、その魅力をもっと深く探っていきましょう。
振袖の活用シーン
振袖は、本来未婚女性の正礼装です。袖丈が長く、その中でも更に大、中、小と分けられ、大振袖の振袖は花嫁衣装に使われることもあるなど、格式の高い着物になります。
成人式はもちろん、結婚式などのフォーマルな場で主に着用され、その柄や色は種類が豊富。最近では未婚や年齢に限らず、既婚女性でもドレス感覚で楽しむ方が増えています。
では実際に、振袖がどのようなシーンで活用できるかをご紹介します。
■卒業式
学生なら、成人式の次に振袖を着用する代表的なシーンなのではないでしょうか。卒業式の着物で袴をイメージされる方も多いと思いますが、袴とは本来着物の上に着用する履物、現代で言うワイドパンツのような着物のことを指します。現在は着物に袴を合わせるスタイルが主流ですが、袴が流行する明治時代以前は正装と言えば振袖でしたので、振袖を着用することに問題はないのです。
振袖だけでは不安だという方には、振袖に袴を合わせて着用することもおすすめです。当時の女学生の制服だった袴に合わせる着物に決まりはありませんが、未婚女性の正礼装である振袖は卒業式のような式典でも着用ができるので、成人式で着用した振袖の上から袴を合わせるだけでコーディネートの幅が広がるだけでなく、式典の場に相応しい装いになることでしょう。
■結婚式
振袖は洋服で言うドレスのような位置づけになるので、結婚式といったお祝いの席でもフォーマルな服として着用できます。振袖は正礼装ということもあり、お祝いの場で着用することが多い着物ですので文様なども縁起の良いものが沢山描かれています。ドレスを着用する場合は白を避けるべきですが、振袖は様々な文様や柄、染めが着物に施されていますので白無垢とは別物となるので、白い振袖を着用することも可能です。一方黒い振袖は、既婚女性の正礼装である黒留袖があるので、全く違う着物とはいえ避けるのが無難です。
■パーティや初詣
振袖は正礼装なので、フォーマルな場のパーティや式典、年間の節目にある大きな行事にも着用できます。功績を収めた際の授賞式や、組織の式典で着用されている方も。機会は多くはありませんが、正式な場で着用できるフォーマル着なのでおめでたい日におすすめの着物です。また、お正月や初詣もめでたい日として正装が可能なので、振袖を着用することができます。新年や功績を残した際など、おめでたい日には華やかな振袖を着用してみてはいかがでしょうか。
振袖を着用する際のマナー・ルール
着物にはそれぞれ格式があり、その格式が高い着物ほど着用にあたってのルールが増えてきます。洋服が主流となった今、着物のような伝統的な衣服は敷居が高いと感じられる方も少なくありません。洋服のドレスコードのように基本的なマナーやルールさえおさえれば、お洒落が楽しくなります。
■必要なものと組み合わせ
振袖は未婚女性の最も格式の高い着物なので、着用にあたって組み合わせは変化します。着物を着用する際に必要な、肌着、襦袢、着物、帯の他に振袖には衿芯、半衿、足袋、腰紐、伊達締め、帯枕、帯板、帯締め、帯揚げが必要になります。基本的にはこのアイテムで着用できますが、その中でも足袋は柄の入った柄足袋はNG。白足袋のみが振袖で着用できるようになっている他に、素足、下駄、羽織の組み合わせもしてはいけません。
■帯や襦袢の決まり
着物に格があり決まり事があるように、帯にも格や決まり事、ルールが存在します。振袖は正礼装なので重みと厚みのある丸帯と、長く芯のある袋帯の二種類しか着用できません。この二つの帯はフォーマルシーンで結ばれる帯となっているため、カジュアルな着物との併用はできない決まりとなっています。半幅帯や兵児帯はカジュアルな装いの際に締める帯になるので、振袖にはNGです。また、襦袢にも格があり、金糸、銀糸を含めた色を使わない白一色の正絹の襦袢を着用するのが正式となっています。
振袖は購入よりレンタルがおすすめ!
近年、着物を始めとして振袖も比較的手に入れやすい価格のものも多くなってきました。しかし、正絹や染めの振袖は高価でお手入れも難しい着物です。
よく耳にする「友禅」も染めの技法の一種で、フォーマルかつ格式の高い着物に施されることが多くあります。特に絹の保存は難しく、黄色く変色してしまうことも。管理などに不安が残る方には使用の回数に限らず、保存が難しい着物を良い状態で保管しているレンタルがおすすめです。
古くから伝わる格式高い振袖、ルールやマナーは多いですが洋服のドレスコード同様、フォーマルな装いにはつきものです。式典の他に、初詣など振袖を取り入れられる日常の瞬間に和装という選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか。成人式や卒業式から眠ったままの振袖がある方は、ぜひ様々なシーンで活用できる振袖で、素敵な装いを楽しんでみてください。